大人のピアノが上達しない5つの理由と、レッスンの間の練習の見直し方
2026年10月27日 レッスンノート編集部
大人になってからピアノを習い始めた。あるいは、子どもの頃にやめたピアノを再開した。毎週レッスンに通っているのに、思ったほど弾けるようにならない。そう感じている方は少なくありません。
上達しない理由を、才能や年齢のせいにする前に見直せるところがあります。多くの場合、差がつくのはレッスンの時間そのものではなく、レッスンとレッスンの間の練習です。この記事は、教室や個人の先生のレッスンに通っている大人の方に向けて書いています。
1. レッスンで言われたことが、次の練習まで残っていない
レッスンの1時間で、先生はたくさんのことを伝えてくれます。指づかい、手首の高さ、強弱、ペダルを踏みかえる場所。その場では分かったつもりでも、家でピアノの前に座る頃には半分も思い出せない、ということがよくあります。
弾きながらメモを取るのは難しく、書けても単語だけ。結果として、前の週と同じ弾き方で練習し、次のレッスンで同じことを注意されます。上達しないと感じるとき、まず疑ってほしいのはここです。
見直し方
- レッスンが終わったら、その場で3行だけ書く。「言われたこと」「次までにやること」「いちばん強く言われたこと」。教室を出る前か、帰りの電車の中で。
- 楽譜に直接書き込む。指番号やフレーズの区切り、「ここで手首を下げる」など、場所の決まった注意は、楽譜のその小節に書くと練習中に目に入ります。
- 先生の許可をもらって、レッスンを録音する。言葉だけでなく、先生のお手本の音も残ります。詳しくは最後の章で。
2. 通して弾くばかりで、できないところを練習していない
練習の時間になると、つい曲の最初から最後まで弾いてしまいます。気持ちはいいのですが、この練習では弾けるところを何度も弾き、弾けないところは1回しか弾かないことになります。つかえる場所は、毎回同じところでつかえたままです。
見直し方
- つかえる場所を、前後1〜2小節ふくめて切り出し、そこだけをくり返す。
- 切り出した部分が弾けたら、前の小節からつなげて弾く。
- 通して弾くのは、練習の最後か、本番やレッスンの前の確認として。
3. 速いテンポのまま練習している
曲のイメージがあると、最初から本来の速さで弾きたくなります。けれど速さに指が追いつかないまま弾くと、間違えた指づかいやリズムがそのまま手に残ります。大人は曲の理解が早いぶん、頭の中のテンポに指が追いつかず、あせってしまうこともあります。
見直し方
- まちがえずに弾けるテンポまで落とす。メトロノームを使うと、速くなっていくのに気づけます。
- そのテンポで安定して弾けたら、少しずつ上げる。
- どのテンポで練習すればいいか迷ったら、先生に聞く。
4. 片手と両手の段取りがない
両手で合わせるのがむずかしいところを、最初から両手でくり返していませんか。どちらの手がつまずいているのか分からないまま、両手で弾き続けることになります。右手のメロディばかり練習して、左手が後回しになっていることもよくあります。
見直し方
- むずかしいところは、まず片手ずつ。とくに左手だけで弾けるかを確かめる。
- 片手ずつ弾けたら、ゆっくりのテンポで両手を合わせる。
- 片手で練習する範囲や順番は、先生の進め方に合わせる。教室によって考え方が違うこともあります。
5. 練習を始める前に、やることを決めていない
大人の練習時間は限られています。仕事や家のことのあとに、15分だけピアノに向かう日も多いはずです。その15分を「とりあえず弾く」で使うと、上で書いた通し弾きになりがちです。
また、レッスンでたくさんの課題をもらうと、何から手をつけるか迷います。全部を少しずつやるより、先生がいちばん強く言ったことを1つ決めて、その日はそこから始めるほうが前に進みます。
見直し方
- ピアノの前に座ったら、今日やることを1つ決めてから弾き始める。
- 短い日は、その1つだけで終わってもいい。毎日少しでも触れるほうが、週末にまとめて弾くより続きやすいです。
- 何を優先すればいいか分からないときは、次のレッスンで「家では何から練習すればいいですか」と聞く。
レッスンの間の1週間を組み立てる
5つの見直しを、1週間の流れにするとこうなります。毎週レッスンがある場合の一例です。
| レッスン当日 | 帰りに3行メモ。楽譜への書き込みを確かめる。録音があれば、気になったところだけ聞き直す。 |
|---|---|
| 翌日〜2日後 | いちばん強く言われたことから練習する。忘れる前に、注意された弾き方を手に入れる。 |
| 週のなかば | つかえる場所の部分練習。ゆっくりのテンポで、片手ずつから。 |
| レッスン前日 | 通して弾いて、どこまでできたかを確かめる。先生に聞きたいことを書き出す。 |
レッスンの前に「ここがうまくいかない」「家ではこう練習した」と伝えられると、先生もその週の練習に合わせて教えられます。レッスンは、先生に練習のしかたを聞ける時間でもあります。
レッスンを録音して持ち帰る
レッスンの中身を持ち帰るいちばん確かな方法は、録音です。先生の言葉だけでなく、お手本の音や、自分の演奏のどこで止められたかも残ります。スマホを譜面台やピアノの上に置いておくだけで録れます。
録音するときは、レッスンの前に「復習用に録音してもいいですか。自分の練習にだけ使います」と先生に一言聞いてください。断られたときは、録音しないでください。
ただ、録音には弱点もあります。1時間の録音から、あの一言を探して聞き返すのは大変です。録ったまま、たまっていくだけになりがちです。
レッスンノートは、レッスンの録音から先生の言葉を文字に起こし、AIが指摘と宿題ごとのノートにまとめるアプリです。ノートの項目ごとに録音の時刻が付いていて、タップするとその場面から聞き直せます。上で書いた「3行メモ」を、録音から作ってくれる道具だと思ってください。
最初の要約3本は無料。録音・保存は、ずっと無料です。
レッスンノートについて見るまとめ
- 大人のピアノの上達は、レッスンの間の練習で差がつく。
- レッスンで言われたことを、メモ・楽譜への書き込み・録音で持ち帰る。
- 通して弾くより、できないところを切り出して、ゆっくり、片手ずつ。
- 練習を始める前に、今日やることを1つ決める。
- 迷ったら、先生に練習のしかたを聞く。